書籍・雑誌

2019年7月20日 (土)

神様のカルテ2

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今回は、こちらの本を選択しています。夏川草介氏の「神様のカルテ2」です。本の帯には以下のように紹介されています。

栗原一止は、夏目漱石を敬愛する信州の内科医だ。「二十四時間、三百六十五日対応」を掲げる本庄病院で連日連夜不眠不休の診療を続けている。四月、東京の大病院から新任の医師・進藤辰也がやってくる。一止と信濃大学の同級生だった進藤は、かつて“医学部の良心”と呼ばれたほどの男である。だが着任後の進藤に、病棟内で信じがたい悪評が立つ。失意する一止をさらなる試練が襲う。副部長先生の突然の発病―この病院で、再び奇蹟は起きるのか。

さて、こちらの本でも付箋を貼付した箇所を抜粋してみましょう。

「運命は神の考えるものだ。人間は人間らしく働けばそれで結構だ」記述、p8。

「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である」一止の言葉、p85。

「百万人を殺す英雄ではなく、一人を救う凡人であろうとな」一止の言葉、p85。

「人に活力をもたらすのは結局、人だということなのだろう」記述、p127。

「人に頼るということも人間の持つ大きな美質のひとつである」記述、p153。

「私たち医者にとって、患者をとるか、家族をとるかという問題は、いつでも最大の難問です」古狐先生の言葉、p214。

「いかに生きるかばっかりが吹聴される世の中やけど、いかに死ぬかちゅうこともきっちり考えるのが、医者の仕事やで」河馬親父先生の言葉、p289。

「苦しいお酒はイチさんの分まで飲みます。おいしいお酒は、イチさんと一緒に飲みます」ハルの言葉、p304。

この本にも沢山の素敵な言葉がありました。この本、後半は本当に泣けます。続きを読みたくなっています。でも、ハルさんのような本当に素敵な細君は、この世に存在するのでしょうか?

 

2019年7月 7日 (日)

燃えよ剣---下巻

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今回も前回に引き続き司馬遼太郎氏の「燃えよ剣---下巻」を選択しています。本の帯には以下のように紹介されています。

元治元年六月の池田屋事件以来、京都に血の雨が降るところ、必ず土方歳三の振るう大業物和泉守兼定があった。新選組のもっとも得意な日々であった。やがて鳥羽伏見の戦いが始まり、薩長の大砲に白刃でいどんだ新選組は無残に破れ、朝敵となって江戸へ逃げのびる。しかし、剣に憑かれた歳三は、剣に導かれるように会津若松へ、函館五稜郭へと戊辰の戦場を血で染めてゆく。

こちらの本でも付箋を貼付した箇所を抜粋してみましょう。

「もってうまれた自分の性分で精一杯に生きるほか、人間、仕方がないのではないでしょうか」沖田総司の言葉、p94。

「(近藤勇)は凧のようなものだ。順風ならば、風にもちあげられ自分も風に乗り、おだてに乗り、どこまでもあがってゆく大凧だが、しかし一転風がなくなれば地に舞いおちてしまう」土方歳三の言葉、p130。

「薩摩人の特徴で、分がわるい、となると、粘着力がない。下手な戦さでねばるよりも遁げたほうが戦術的にもいい、という合理的な思想が、古来ある」記述、p181。

 

この本では、下巻の函館戦争の頃から小説としてのテンションが上がって来ます。でも、基本的には、テロリストである土方歳三の後半生を記述しただけのものと思っています。エンターテイメントとして読書するなら許されるでしょうが、あまり勉強となる箇所は多くはありません。

 

 

2019年6月30日 (日)

燃えよ剣---上巻

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今回は、こちらの本を選択しています。司馬遼太郎氏の「燃えよ剣---上巻」です。本の帯には、以下のように紹介されています。

幕末の動乱期を、新選組副長として剣に生き、剣に死んだ男、土方歳三の華麗なまでに頑なな生涯。武州石田村の百姓の子“バラガキのトシ”は、生来の喧嘩好きと組織作りの天性によって、浪人や百姓上りの寄せ集めにすぎなかった新選組を、当時最強の人間集団へと作りあげ、自身も思い及ばなかった波紋を日本の歴史に投じてゆく。人気抜群、司馬遼太郎の“幕末もの”の頂点をなす長編。

こちらの本でも付箋を貼付した箇所を抜粋してみましょう。

「今夜は、府中の六社明神の祭礼であった。くらやみ祭といわれる。(中略) この夜の参詣人は、府中周辺ばかりでなく三多摩の村々はおろか、遠く江戸からも泊りがけでやってくるのがだ、一郷の灯が消されて浄闇の天地になると、男も女も古代人にかえって、手あたり次第に通じあうのだ」記述、p12。当方としては、宮崎からでも飛んでいきたいですね。実家はこの付近にあるのです。

「武州の地は、江戸を含めて、面積はおよそ390万里。石高にすれば128万石。ほとんど、天領(幕府領)の地である。中略 諸国の大名領とくらべとうそのような寛治主義で、収税は定法以上はとりたてず、治安の取締りもゆるい」記述、p80。このような背景があるからこそ、近藤勇、土方歳三のような人間が発生したのでしょう。

「近藤勇も土方歳三も、歴史の子だ。しかも幕末史に異常な機能をはたすにいたったことについては、妙な伏線がある。麻疹とコレラである」記述、p177。これらの伝染病が江戸小石川にあった近藤剣術道場付近にも蔓延し、道場の経営が困難となったのでした。丁度、その頃、幕府の浪士徴募の檄文に触れ、近藤らは京都へ赴くことになるのです。

まあ、こちらの本は土方歳三を主人公としたエンターテイメント小説のようです。同氏の「風神の門」と同様と考えて良いでしょう。以上抜粋した件に関しては勉強になりました。こちらの本は20年位前に勤務していた時の同僚が推薦してくれた本ですが、当方としては、「胡蝶の夢」、「翔ぶが如く」の方が好きです。

2019年6月27日 (木)

博士の愛した数式

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今回は、こちらの本を選択しています。小川洋子氏の「博士の愛した数式」です。本の帯には以下のように紹介されています。

[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい"家政婦。博士は“初対面"の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

この本は、当家の本棚に以前からあったものです。妻が購入したのか、子供たちのだれかが購入したのかは不明です。以前から本棚にあったので、今回手にとり読書してみました。こちらの本でも気になり付箋を貼付した箇所を抜粋してみましょう。

「無闇に寂しがったり、傷ついたりする必要はない。私は彼らにとって行きずりの人間であり、この次、こちらを振り向いた時、名前さえ忘れられていて当然なのだ。私が彼らの名前を次々、忘れていくのと、何ら変わりはない」家政婦としての私の言葉、p167。

「自分が思っているほど、相手は私を必要としていない。私の代わりになるべき人はいくらでもいる」家政婦としての私の言葉、p169。

「子供の心配をするのが、親に課せられた一番の試練だと、誰かの本に書いてあった」博士の言葉, p216。

 

この本を読み終わると、なんとなく漠然とした幸福感に浸れます。80分間しか、その記憶が残らない博士と家政婦である私、その息子ルートの3人の関係が非常に幸福そうなのです。

 

 

2019年6月23日 (日)

神様のカルテ

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今回はこちらの本を選択しています。夏川草介氏の「神様のカルテ」です。本の帯には以下のように紹介されています。

栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365日対応」の病院で働く、29歳の内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。
第十回小学館文庫小説賞受賞作。2010年本屋大賞第2位。

「ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ」

この箇所、医師の部分をチョット書き換えてみましょう。「ここでは常に観光バス運転手が不足している。専門ではない分野の大型バスを運転するのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ」 これは以前、社会問題となりましたね。

さて、気分を変えて、こちらでも気になった箇所を抜粋してみましょう。

「開けない夜はない。止まない雨はない。そういうことなのだ学士殿」一止の言葉、p164。

「命の意味を考えもせず、ただ感情的に「全ての治療を」と叫ぶのはエゴである」記述、p212。

「病の人にとって、もっとも辛いことは孤独であることです」安曇さんの手紙から、p218。

確かに、安曇さんの章では泣けます。こちらの第1巻は序章なのでしょうか、続巻はどうしましょうか?

こちらの本は、book-offで散策している際に見つけて読書しています。

 

2019年6月20日 (木)

セカンドラブ

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今回はこちらの本を選択しています。乾くるみ氏の「セカンドラブ」です。本の帯には以下のように記載されています。

1983年元旦、僕は、会社の先輩から誘われたスキー旅行で、春香と出会った。やがて付き合い始めた僕たちはとても幸せだった。春香とそっくりな女、美奈子が現れるまでは…。清楚な春香と大胆な美奈子、対照的な二人の間で揺れる心。『イニシエーション・ラブ』に続く二度読み必至、驚愕の「恋愛ミステリー」。

かめさんに、乾くるみ氏の「イニシエーションラブ」を紹介されて、4回、読み直したのが数年前だったような記憶があります。その頃からこちらのセカンドラブの存在は知っていたのですが、ネットでの評判が今、一歩だったので読書するのを躊躇していました。

先日、ブックオフを散策していると古本で状態の良いものがあったので購入し、今回、読書しました。著者に騙されないようにメモ帳に経時的に発生した事象を記載しながら読書していました。しかし、読書直後にはやはり違和感がありました。ネットで検索して「ネタばらし」を見て漸く、納得しました。やはり、まんまと著者に騙されました。

2019年6月13日 (木)

小説 大久保彦左衛門

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今回はこちらの本を選択しています。童門冬二氏の「小説 大久保彦左衛門」です。本の帯には、以下のように紹介されています。

関ケ原から50年、徳川社会も今やリストラの嵐が吹き荒れていた。計算高く、口先のうまい武士ばかりが出世する高度管理体制に“天下の御意見番”大久保彦左衛門が一撃。屈折し、ひがみながらも「追いやられる老人の意地」をかけて戦う。“福祉”の名のもとに排されがちな年配者が経験を次世代に伝える、主体的生き方とは?今の高齢化社会政策の欠陥を示しつつ、一個の生きた人間像を描き出す。

こちらの本は古本屋を散策している時に見つけた本です。著者が当方が好きな童門冬二氏であったので購入しました。比較的綺麗な古本でしたが、1997年12月の第1刷でした。

さて、この本でも気になって付箋を付けた箇所を抜粋してみましょう。

「人を使うのは、大工が木を使うようにすべきだ。長い木を梁にし、短い木を肘木にし、束柱にするように、その人間の能力や器量に応じて、適材適所にすべきだ。そうすれば、人間も無駄がなくなる」大久保彦左衛門の三河物語の内容から、p110。

さて、この本には一心助も登場します。架空の人物のようですが、何だかその名前は聞いたことがありました。さらに、由比正雪も登場します。そうそう、旧東海道徒歩の旅では、由比正雪の生家前も通過しました。そんなことを思い出しながらこの本を読書していました。

でも、童門冬二氏が何を記載したかったのかが、良く判りません。まあ、¥108である程度の時間は楽しめました。

2019年6月 9日 (日)

火車

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今回はこちらの本を選択しています。宮部みゆき氏の「火車」です。本の帯には以下のように紹介されています。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して――なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか? いったい彼女は何者なのか? 謎を解く鍵は、カード社会の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。

こちらの本を選択したのは、朝日新聞3/7の紙面で、「平成の30選」として同率4位で紹介されていたからです。内容としては、クレジットカードにより人生を狂わせた二人の女性が、数奇な人生を送るというミステリーなのです。まあ、約600ページの長編なのですが、速くは読書可能です。それなりの展開もあります。でも何だか、この手のミステリーは後付けが多いように感じてしまいます。現在の日本で、相手の素性、来歴を全く知らずに結婚するような人間がいるでしょうか。通常、親御さんからは反対されます。そんなことを考えながら読書していました。

2019年6月 6日 (木)

風神の門---下巻

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今回は、前回に引き続きこちらの本を選択しています。司馬遼太郎氏の「風神の門---下巻」です。本の帯には以下のように紹介されています。

大坂冬の陣に西上してくる徳川家康の首をねらうため、霧隠才蔵らは駿府城下に潜入し、徳川の忍者、風魔獅子王院たちと血闘をくりひろげる。そして、駿府城内にしのび込んだ才蔵は、家康の寝所の天井裏に立つのだが……。人間性を抹殺された忍者たちの中で、いかなる組織にも属さず、ただひとり人間らしく生きようとした才蔵の悲哀を通して、“忍び”の世界を現代の眼で捉えた長編小説。

こちらでも付箋を付けた箇所を抜粋してみましょう。

宇治の上林家というのは、山城きっての豪富をほこっている茶商である。ただの茶商ではなく、家康から朱印状と禄490石をもてっている半商半士で、休庵、暁庵とつづいたこの二代の当主が名高い。(中略) その住居の宇治が京大坂に近いうえに諸大名の屋敷に茶を納入するところから、中央の情勢が手にとるようにわかる位置にあった。諜報の名人とされた家康は、当然、上林家を京大坂における諜報機関として使ってきた。記述、p103。

2018年5月に宇治へ旅行した際、三星園上林三入店へ入店したことがあります。そちらの店舗で抹茶と和菓子のセットを頂戴しました。そのお値段、一人¥1500でした。当日の当方の一人の昼食代より高価なのでした。ただ、こちらの店舗の家紋が地図で使用される茶畑の記号になったとのことです。2階は資料館となっており、春日局の手紙も展示されているのでした。

さて、本の内容です。こちらの本は解説にあるのですが、昭和30年代から10-20年毎にブームが来るという忍者ものです。確かに、当方が小学生だったころ「仮面の忍者赤影」というTV番組がありました。こちらの本は頂けません。大阪冬の陣に続く忍者ものとしては、やはり、池波正太郎氏の「真田太平記」の方が圧倒的に面白いです。「風神の門」は「梟の城」の続編のようで、「梟の城」がそれなりに評価されているのに対して、「風神の門」は司馬遼太郎氏の作品としては、駄作の部門に入ることでしょう。今後、当方が「梟の城」を読書するか否かは現時点では未定です。

2019年6月 2日 (日)

風神の門---上巻

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今回は、こちらの本を選択しています。司馬遼太郎氏の「風神の門---上巻」です。本の帯には以下のように紹介されています。

関ヶ原の合戦によって豊臣家が大坂城にとじこめられてしまった時期、伊賀の忍者の頭領、霧隠才蔵は人ちがいで何者かに襲われたことから、豊臣・徳川の争いに次第にまき込まれてゆく。生来、いかなる集団にも属することを嫌った才蔵であったが、軍師真田幸村の将器に惹かれ、甲賀の忍者、猿飛佐助とともに、豊臣家のために奮迅の働きをし、ついには徳川家康の首をねらうにいたる。
こちらの本でも気になって付箋をつけた箇所を抜粋してみましょう。
「(真田)幸村は、男はだれでも、自分の才能を世に問うてみたい本能をもっている。といった。男が世に生まれて生きる目的は、衣食をかせぐためではなく、その欲を満たしたいがためだ、とも言った」記述、p302。
こちらの本の前半は、非常に頭の中が混乱します。登場人物が多すぎるのです。そして、ただ一回のみの人物もあります。メモを取っていても混乱します。下巻を読書しないと判断は困難ですが、司馬遼太郎の本の中では駄作かもしれません。

 

 

 

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